二月の海

冬は空気が澄んでいるので、よく晴れた日の湘南の海は初島や富士山、伊豆大島なんかも眺められる 太陽の位置が低いので、風が穏やかな日は水面に陽の光が反射してキラキラと輝いて格別な景色を見せてくれる たまたま海を訪れた日にそんな光景が見られると、小さな幸運に心が踊ってしまうのだ

私の53年の人生を振り返ると、ビッグイベントやどん底の経験というほどドラマチックな出来事はない方だと思う もちろん、とてつもなく辛い経験はあったけど、一緒に泣いてくれる人や側で支えてくれる人の存在があったので、そのまま沈み続ける事はなかった

嬉しいこと、楽しいことはもちろん人並みにあったはずだが、グラフを作ってみたとしたら私の人生はとんがった部分が少ない、ほぼ曲線で出来ているようなものになる そう、私の人生って、例えてみると「凪」のようなものなのだ 

この写真はまさに自分の人生を表現しているようでとても気に入っている ドラマチックな人生ではないけど、些細な幸運に喜びを感じることができる そんな普通の日々の一コマを写した一枚になっている

私が大好きな歌のひとつにフジファブリックの「若者のすべて」という1曲がある この写真に写っている人物は高齢の方だったが、この写真を見るとどういうわけか「若者のすべて」が頭の中に流れてくる おそらく、若かりし頃に誰しもが感じるような日常の一場面、少しだけ胸がギュッとなるようなドラマチックとまでは言えない一瞬

を表現したあの曲を聴いた時に感じた小さなドキドキと、あの日私が海を見て感じた控えめな高揚感が似ていたのだろうと思う

写真というものは、ただの記録ではなくてその時の感情まで残してくれるもの 

近いうちにまた小さな幸せを見つけに行こう

Elva

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