
話題になっている吉本ばななさんのnoteを読んだ 有料記事なので内容は書かないが、私は記事を購入して良かったと心底思っている 読む前は、好きな作家さんの知られざる一面を知ることになるのか、という程度の気持ちだったが、読み終わってみると思っていた以上に自分事として捉えることになって、今まで当たり前だと思っていた家族の問題に一石を投じる結果になった
私は3人兄妹の末っ子で、3学年ずつ離れた兄と姉がいる 末っ子というと世間では可愛がられて育ったと思われがちだが、周りを見ても、実は末っ子というのはしっかり者が多いと思う 兄姉がどんなことでトラブルになるのか、どういうことで親を困らせるのかを幼少期から無意識に見続けているので、上手く立ち回る方法を知らず知らずのうちに身につけていたり、親を悲しませない方法を習得していたりするのだ
そんなわけで、度々トラブルを起こし母を泣かせる姉の姿を見て、母を悲しませない為にも姉のことは私が守らなきゃいけない、という考えが子供の頃から私の心にしっかりと根付いていたのだと思う
姉はいわゆるジュリアナ世代の人だ ワンレン、ソバージュ、青みピンクの口紅、原色のスーツとハイヒール、プラダのチェーンバッグ・・・今振り返っても華やかでインパクトのある時代を、そのイメージのまま過ごした人だった
実家が太い人であれば、ブランド物だって母親と共有したり親に買ってもらったりできただろうけど、我が家はごく普通のサラリーマン家庭で、母はブランド品の一つも持っていなかったので、姉は自分でなんとかして手に入れるしかなかった とはいえ、普通のOLの資金が潤沢であるわけはなく、リボ払いや消費者金融に手を出すことになっていった
結局、カード会社からの引き落とし請求書が自宅に届き、借金が親にバレ、泣いて怒る母親に対して一時の謝罪をして立て替えてもらうものの、姉の消費癖が治ることはなく同じ事を繰り返していた
ちなみに、姉は物欲が強く派手好きで承認欲求が強く、私は物欲もなく地道に生きている そんなまるで真逆な性格の二人だけど、今でもとても仲が良い 姉は心根は優しいし義理堅く情に厚い人なので、いつも私の身体を心配してくれるし、私に何かあったらすぐに泣いちゃいそうなほど妹を愛してくれている そんな性格なので友人知人も多く、営業の仕事も上手くいっていて成果もきちんと上げている 営業成績の良い社員が該当する社長賞も何度か貰っているので、独身の姉が生活していく分には困らないほどのお給料を得ているはずである
それなのに、やはり経済的にカツカツになってしまうのだ
昨年春のこと 神妙な顔をした姉に借金の依頼を受けた 私は営業の仕事のことがわからないのだけど、年度末には色々な調整が生じてお給料から引かれるらしい なので、前月の入金額が数万しかなかった、と 海外旅行で使った分の引き落としもあるし、家賃も払わなければいけない、でも、口座の残高もなくて妹に借りれなかったら消費者金融から借りるしかない、というのだ
いやいや、何年も営業の仕事をしてて年度末だって何回も経験しているのはずなのに、どうしてそんなことになるの?と半ば呆れて聞いてみると、その年は数回海外旅行に行ってしまったという 50代の海外旅行なんて、若い頃の安宿安フライトと違って基本的にラグジュアリーになってしまうものだ そんなことわかっているだろうに、どうして何回も海外に行くのだろう?私には到底理解できない生活スタイルなのだけど、姉は見栄っ張りな人なので友人に誘われたらお金がないという理由では絶対に断れないのだ
姉の無駄な贅沢の為にお金を貸すなんて、なんとも釈然としない気持ちになったが、かといって消費者金融に手を出したら高い利子がついていつまでもズルズルと借金し続けるのが目に見えているし、もし高齢の母に知られたら年金暮らしの生活から無理をしてでも工面してしまうのではないかと心配になった 結局私は自分の保険を解約して、その返戻金を姉に貸すことにした 姉は当面必要なギリギリの額だけでいいと言ったけれど、姉の性格を考えるとその額ではやっていけないと思ったので家賃の約7倍の金額を貸した
私は借金を頼まれることは初めてだったけど、家族とか親しい人に貸す時は返ってこないだろうと思っている そもそも、生活費が足りなくてお金を貸す場合、何か大きな変化でもない限りお金を返す余裕なんて生まれないんじゃないかな、と だから姉に貸した時も、「返さなくていいよ」と言って渡した 「その代わり、海外旅行とか贅沢しないで」と釘を刺すことは忘れなかったけれど
昨年の秋に父が倒れ、そこから病院への見舞いや入居した施設への面会が続いているので相変わらず姉とも会うのだけど、冬にこんなことを言っていた
「友人たちとエーゲ海クルーズを申し込んでいたんだけど、お父さんの入院があったから、それを理由にキャンセルした」と
・・・え?また行くつもりだったのか・・・当たり前のようにお金返さないのに? そんなことを思ったけど、とりあえず海外旅行がキャンセルになってよかった
そして、どうしてそんなに高級品が欲しくなったり見栄を張った生活をしてしまうのか、改めて聞いてみた
先にも述べたが姉は友人が多い その時々の人生のステージで出会った友人のグループで今でも頻繁に会っている 昔ジュリアナ時代に遊んでいた友人達は皆結婚し、母になり、子育ても終えて自由になった 独身は姉だけである 元々派手好きの友人達なので今でもブランド品が大好きだそうで、バッグなんかは皆そういうものを身につけているらしい 姉としては、自分は仕事をして友人達よりも稼いでいるのに、友人達はのほほんと夫の稼ぎで生活してブランド物も買って貰ってるのが悔しいのだそうだ
夫の稼ぎでブランド品身につけて友人と海外旅行を楽しんでいる主婦層なんてハッキリ言って絶対的に少数だし、主婦業が働いてる人に比べてラクというのは自分がしたことないから勝手な思い込みだし、子育てというものがどれだけハードで何年も自由を奪われることになるかも分かってない! それにそもそも結婚だって相手が突然空から降ってきたわけではなく、それまでの生き方考え方に呼応して、共鳴できる相手に出会ったわけなので、ただただ幸運に結婚できたわけではない!!
でも、姉は思い込みがとても激しい人なので、この議題についての話し合いはずっと平行線で交わることはあり得ないのだ
それでも、こんなに考え方の違う姉でも、私は子供時代からの決心がずーっと心にあって、将来姉が路頭に迷うようなことがあったら同居して支えてあげないといけない、と思っていた
その呪縛のような深い考えが吉本ばななさんのnoteを読んで変わりつつあるのだ
私は今でも姉が大好き 昨年に援助した分は返されないことが前提だったので文句はない でも、今後まだ姉が理解できない価値観で無駄にお金を消費し生活が立ちいかなくなってしまった時には、私は自分を犠牲にしてまで姉を助けなくて良いのかもしれない 自分が自由に使えるはずのお金を、姉の買い物だいや旅行代に回す必要は全くない 普通に考えたら当たり前のことなのだけど、家族というフィルターにかかると普通の判断ができなくなってしまうことがある 家族を見捨てるということは友人や恩師を切ること以上に非情なことに見えてしまうから
今のところ姉との関係が切れる可能性が高いわけではないが、その選択肢はあって正解だと知ることで肩の荷が下りた気がした
吉本ばななさんが思い切って記事にしてくれたことに心から感謝している
Elva99
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